配線長演算機
レイアウトを開始する前に、高速伝送線路のネット長の評価を行います。電気的に長い配線にはxSignalとデザインルールを使って、レイアウトでネットのトポロジーが定義された最大配線長内に収まるように制約をかけます。
Altium Designer
配線をもっと容易にしてくれる、市場で最も優れたPCB設計ソフトウェア
新しいルール ウィザードで長さの制約を設定する
高速信号の配線長は、プロジェクトの回路設計段階でレイアウトの前に決定します。最大配線長は、伝搬遅延に関わる信号の立ち上がり時間や立ち下がり時間を分析して決定します。信号は次のエッジに移行する前に、ソースからロードへと移動し、再び元に戻ってくる必要があります。そうでない場合はクロストークやリンギング、反射が発生し、設計がノイズの影響を受けやすくなります。
クロストーク、リンギング、反射が発生する前に最大配線長を指定することで、電気的に長い配線を定義します。こうした配線には、対地ノイズをそらしたり、最小限にしたりするための終端スキームが必要になります。ノイズを最小限にすることで回路設計を破損から保護し、回路基板の配線に沿って完全な信号伝搬を確保できます。基板のレイアウトに最大配線長を超えるネットが必要な場合は、終端回路が必要になります。
基板のレイアウトを開始する前に、電気的に長い配線を定義して制約を設定します。配線のガイドとなるルールをツールに含めることで、レイアウトプロセスが自動化されます。fly-byトポロジーなどの手法によって、関連する配線内の直列要素とともに一連のネットが構築されます。スキューによるノイズの発生を回避するため、長さ照合のルールはメモリやCPUにある高速データラインにも設定されます。
電気的に長い配線をレイアウト前に特定する
回路設計者は伝搬遅延と併せて高周波信号の立ち上がり時間と立ち下がり時間を分析し、伝送線路が電気的に長い配線かどうかを判断します。電気的に長い配線の場合は、設計で終端コンポーネントが必要になる前に、信号が回路基板のネットを移動できる最大配線長を決定します。伝送線路のネット長によって回路基板でノイズが発生しないようにすることは、設計の重要なステップです。影響を受けやすい信号の定義では、信号の既知の立ち上がり時間と立ち下がり時間を使って配線長を計算します。
重要な配線を識別するために最大配線長を計算する
伝送信号の配線長制限の計算
最大配線長と長さの照合は、高速伝送ネットを対象とする設計の重要なステップです。配線幅はインピーダンス コントロールに影響を及ぼさないものの、設計したものを問題なく製造するには最大配線長と長さの照合が必要になります。この照合では、トレースを配置する際に時間領域が考慮され、クロストークやリンギング、反射の発生が阻止されます。
- インピーダンスの照合と併せて、長さのチューニングも考慮に入れましょう。
- 電気的に長い配線を定義し、EDAツールでルールを設定できます。
- シグナルインテグリティーのための設計の概要をご覧ください。
高速の影響を分析し、それをもたらすトレースを特定したら、その内容をEDAツールで確認する方法について検討しましょう。
最大配線長の手動寸法記入とfly-byトポロジーを使用する
設計の意図を回路図ソフトウェアに伝達するのには、細部への注意が必要です。PCBレイアウトの設計者とやり取りする際は、こうした細部に細心の注意を払わなくてはなりません。これを怠ると、配線長の制限や一致した配線など、レイアウトから重要な要素が欠落することになります。デザインルールがソフトウェア設計ファイルを通じて適用されるよう、一致した配線と配線長の上限は、ソフトウェア ツールによって早い段階で特定される必要があります。そのため、回路図のタイトルページに複雑なメモを残すのではなく、ネットのルールを入力するためのメニューがあるEDAソフトウェアの使用を検討してください。
fly-byトポロジーでは、配線長を完了するために直列要素が考慮される
メニューを備えたEDAソフトウェアを使って、プラットフォーム全体にネットのルールを組み込む
回路設計で設定されたルールをPCBレイアウトに組み込めるEDAソフトウェアが必要です。これは自動機能であることが望ましいでしょう。また、回路図のタイトルシートにレイアウトに関するメモを残すよりも、設計環境全体でルールを適用できるEDAツールを入手したほうがよいでしょう。これにより、意図したとおりの設計が自動的に作成されるほか、最大配線長など、回路設計で設定される重要な詳細情報がPCBレイアウトで維持されるようになります。
- PCBレイアウトで配線を行う際に長さのルールを設定して、シグナルインテグリティーを確保できます。
- シミュレーションを使って、電気的に長いトレースを配線後に分析できます。
- シグナルインテグリティーでのノードの影響についてトレース配線を検証できます。
配線長の計算と配線でのネット最大配線長の決定の次は、重要なネットを配線する際のルールと制約の設定方法を見ていきましょう。
Altium Designerのルール/制約エディタで最大配線長を設定する
Altium Designerでは、電気的に長い配線を特定して定義することも、回路設計からPCBのレイアウトに至るまで全体的に適用されるデザインルールを設定することも可能です。そのため、PCBレイアウトの設計者に詳細情報を伝えるために、回路図のタイトルシートに複雑なメモを残す必要はありません。Altium Designerに用意されているxSignalの仕様では、回路設計者がネットを分類できます。ネットが分類されると、配線中にルールと制約がアプリケーションに適用されます。
最大配線長が計算されるトレースでxSignalを作成する
Altium DesignerのxSignalウィザードを使った重要な信号の定義
Altium DesignerのxSignalは、回路設計者によって電気的に長い配線として定義されるものです。この配線には直列終端があり、複数のネット名を含めることができます。そのため、基板上の領域を設計する際に、Altium Designerの配線ツールに特定のxSignalが通知されます。xSignalを定義するためのウィザードも提供されているほか、メニュー コマンドを使ってパッド間やコンポーネント間の経路を指定できます。
- ハイブリッド構造を使って、配線長の検討事項に対応することを考えてみましょう。
- この学習セミナーの動画をご覧になれば、配線とチューニングについて理解を深められます。
- xSignalでのルールの範囲に関する動画をご覧いただけます。
シグナルインテグリティーを確保するには、電気的に長い配線の最大配線長を計算する必要があります。こうした配線を特定したら、最大配線長の計算を適用する際に考慮されるネットをxSignalを使って定義します。Altium Designerに搭載されているルール/制約エディタでは、基板のレイアウトで配線の自動化に使用される最大配線長と長さ照合の指標がxSignalに提供されます。配線長の計算とPCBレイアウトへの適用は、Altium Designerの統合環境で行えます。