Protel PCBを引き継ぐAltium Designer
Protel PCBは消滅したわけではありません。Altium Designerとしてリブランドされた後、さらに強化されています。
Altium Designer
専門家を対象とする強力で使いやすい最新のPCB設計ツール。
今も使用されているProtel PCB設計ソフトウェアのコピーをわざわざ探す必要はありません。Protelは1980年代の中頃から、世界中の企業、回路設計の授業を提供する大学、設計の愛好家に使用されています。とはいえ、Protelはどうなったのでしょうか?
Protelは、今も存在します。Altium Designerという名称に変わり、以前よりも改良されています。Protelは、パソコンで使用できる初のPCB設計ツールの1つとして歴史を残しましたが、その高度な遺産はAltium Designerとして引き継がれ、PCB設計プロセスのすべての要素に特化する革新的なツールとして開発が継続されています。Protelから始まったAltiumは、最先端の設計ソフトウェアの開発で30年におよぶ経験を蓄積してきました。その成果は、市場で最も優れたPCB設計ツールのAltium Designerに集約されています。
充実したPCB設計プラットフォーム
能力が試される近年の設計に必要な機能を提供するために、Altium Designerは徹底的に改良されています。現在は64ビットのマルチスレッドシステムを基盤として構成され、ユーザーが求める機能がすべて提供されています。また、統合設計環境が整備されているため、さまざまなツールを連携させることも可能です。
複雑なインターフェースや変換の必要なしに、設計全体で同じデータ形式を使用して、シンプルかつ直接的にツールを切り替えられます。これは高度な回路図エディタを使って、複雑な階層設計やマルチチャンネルデザインのシミュレーションやレイアウトを行う際に大きな威力を発揮します。回路図エディタからPCBエディタまで、Altium Designerには設計に必要な機能がすべて揃っています。
Altium Designerに整備されている必要なシステムリソース
昨日使っていたツールが今日の設計で役立たなくなるのではないかと心配する必要はありません。Altium Designerには、困難な課題を解決するために必要な機能がすべて搭載されています。
- 64ビットのマルチスレッドアーキテクチャを基盤として構築されているAltium Designerは、先行のProtelよりもはるかに強力な製品です。
- 統合設計環境では、ソフトウェアシステム間で設計を同期する手間が省けます。
- 回路図エディタでは、単純な1シートの回路図から複雑な階層マルチチャンネルデザインまで、次の設計に必要になる機能が提供されています。
Protel PCBの統合設計環境
高度な配置と配線のツール
Protelとして提供が開始された当初から、Altiumには配置と配線の充実したツールがPCB設計ソフトウェアの中核機能として搭載されています。現在、これらのツールはかつてないほどに進化しています。スマートな配線アルゴリズムが採用されているため、コンポーネントをすばやく最適な場所に配置して調整できます。これまで以上にインテリジェントなインタラクティブ配線を活用すれば、PCBの配線が驚くほどのスピードで完了します。さらに、Altium Designerのネイティブ3D環境では、インポートした機構設計データに対してコンポーネントの配置を検証し、筐体などの機構要素のクリアランスチェックを行うことができます。配置に問題がある場合も、3D環境を離れることなく、コンポーネントの配置を簡単に調整できます。Altium Designerの中核を成すレイアウト機能は更新、強化されているため、最先端のツールを活用できます。
3D環境によって補完されるインテリジェントな配置と配線のツール
これらの機能は以前のProtelから大幅に改良されています。Altium Designerのレイアウトツールでは、エラーのない配置と配線をすばやく完了できます。
- スマートな配置機能を使って、PCBコンポーネントをすばやく配置できます。
- トレース配線では、さまざまなインタラクティブ配線ツールをいつでも使用できます。
- 設計内容を3Dで確認できるだけでなく、インポートした機構データに照らして3D表示で配置をチェックして調整できるため、設計作業が大幅に効率化されます。
Protel PCBのActive BOM
配置と配線以外の設計ユーティリティー
ご存知のように、現在のPCB設計は回路設計や回路基板のレイアウトだけにととまりません。競争力を維持するには、コンポーネントの最新情報や高度な自動配線ツール、ファイルの自動作成ツールなど、さまざまな機能を使って現在の要件に対応する必要があります。Altiumではこれを踏まえ、ユーザーが必要とするツールや機能を長年にわたって追加しながら、Altium Designerを改良してきました。
Altium Designerでは、もうひとつのデータポータルとして機能する部品表管理ツールのActive BOMが提供されています。この機能では、コンポーネントデータに直接アクセスし、回路図やPCBのレイアウトでコンポーネントをクロスセレクトすることができます。また、ユーザーが選択したサプライヤーとのクラウド接続によって、コンポーネントの価格や在庫、詳細データに関する最新情報も提供されます。
Active Routeでは、オートルーターのスピードを活かしながら、正確な手動配線を行うことができます。Active Routeでは、目的の配線をガイドし、思いどおりに必要な配線を完了できます。配線後はDraftsmanを使用して、製造図を自動的に生成できます。コンポーネントの選択からCADの最終ファイルの生成まで、Altium Designerには作業の完了に必要なツールがすべて揃っています。
Altium Designerで活用できる高度なユーティリティーと機能
競争力を維持するには、配置や配線以上の機能が備わったPCB設計ソフトウェアが必要です。Altium Designerには、ユーザーが必要とする下記の機能が用意されています。
- コンポーネントの最新情報をサプライヤーから入手し、Active BOMを経由して設計に追加できます。
- より素早くトラックを配線したいものの、従来のオートルーターによる出力の結果に満足できない場合は、Altium Designerが提供するユーザー主導のオートルーター「Active Route」がその問題を解決します。
- 設計を完了した後は、製造図を作成する必要があります。Draftsmanで製造図を自動的に生成できます。
Protelは自らハードルを高く設定し、初のパソコンで使用できるPCB設計ツールの1つになりました。現在は、新たな進展と強化によって、Altium Designerで今もそのハードルが引き上げられています。30年にわたって業界で注目されているAltium Designerの導入をぜひご検討ください。