実装業者向け出力の生成
先日、比較的経験の浅い技術者から、実装業者が問題なく作業できるためにはどのようなファイルを送ればよいか、また、実装業者が設計について不明点を明らかにするための質問の数を減らすにはどうすればよいか、という質問を受けました。その技術者は、大手の企業で専門職として数年間働いており、自分がかかわっている製品の出力を生成する責任もなければ、その出力を目にすることもなく、実装の経験といえば、趣味や大学のプロジェクトを通じて自分で組み立てたことしかありませんでした。
実装業者に適切なファイルを送らなかったり、設計者の意図を十分に明示した出力を提供しなかったりすれば、実装業者との理解の相違を解消するために作業が行きつ戻りつして遅れが生じる可能性があります。この記事で紹介する方法は必ずしも業界のベストプラクティスではありません。筆者自身が、外注の実装業者や製造業者にファイルを送った際の不明点を減らすために何年もかけて改善してきたプロセスです。カナダ、ヨーロッパ、中国の実装業者と一緒に働いている筆者の場合、このプロセスがうまく機能していることは既に明らかです。
この記事で例として取り上げるプロジェクトを直接操作しながら説明を読み進めたい場合は、私がGitHubで使用している基板を入手できます。古い基板ですが、実例を示すという目的には最適です。このプロジェクトを基にして独自の基板を作成し、デジグネータの扱いを練習する場合は、フットプリント用のAltium Designerのデータベースライブラリの古いV1バージョンをダウンロードしてください。
デジグネータ
基板にデジグネータを使用したがる設計者もいれば、使用する必要性を感じない設計者もいます。筆者個人は、自分のシルクスクリーンにはデジグネータをまったく追加しません。デジグネータの使用について意見がある方は、この記事にコメントする形で理由をお知らせください。自分の経験では、非常に狭い空間にコンポーネントが配置された状態でデジグネータを追加すると、たいていは混乱するので、部品を探す場合は実装図を参照してもらうようにします。回路基板にコンポーネントを配置する際は、すべてのデジグネータを新しいデジグネータメカニカルレイヤーに移し、デジグネータを部品の中央に配置して、必ずデジグネータがコンポーネント自体よりも小さくなるようにします。
これは、アセンブリ用出力を生成する際、実際に役に立ちます。各コンポーネントの位置を正確に示すこのメカニカルレイヤーから、非常に明快な図面を作成できるからです。
このために筆者が考えたプロセスは、[Panels](Altium Designerの右下)≫ [PCBFilters] からアクセスできる [PCB Filter] タブを使用する方法です。フィルターテキストは、単純に「isDesignator」に設定し、一致するものを選択し、一致しないものを選択解除します。
PCBフィルターの追加により、デジグネータを簡単に選択できます。
次に [Apply to All] をクリックします。すべてのデジグネータが選択され、プロパティウィンドウですべてのデジグネータのプロパティを一度に変更できます。
レイヤーを自分の [Designators] レイヤーにし、自動位置を [Center] に設定して、フォントの種類を [TrueType] に変更します。次に、最も長いデジグネータのテキストが最小のコンポーネント(通常は0201または0402フットプリント上のR120のようなもの)に収まるテキストの高さを見つけます。
Truetypeフォントとテキストの高さは、上図のようなパネルから設定できます。
個人的な見解ですが、Truetypeフォントは見た目がきれいで小さいサイズでも読み取りやすいので、自分ではこのフォントを使うようにしています。デジグネータレイヤーが必要な場合は、[View Configuration] ウィンドウを使用できます。
両面基板で作業している場合は、フィルターを使用して、最上位レイヤーのデジグネータのみを選択できます。
IsDesignator AND OnLayer('Top Overlay')
続いて、裏面のコンポーネントに [Bottom Overlay] を使用します。フィルターでは、二重引用符ではなく一重引用符を使用してください。これにより、コンポーネントを2つの別々のデジグネータレイヤー、つまり最上位と最下位のレイヤーに配置することができます。
Draftsmanドキュメント
数年前にDraftsman®がAltium Designerに追加された日は、筆者にとって非常に幸せな日でした。以前よりもずっとすばやく簡単に、すばらしい実装図を作成できるようになりました。実装図は、おそらく設計者が管理し、実装業者に渡す最も重要なファイルです。高品質な実装図があれば、機械のセットアップや再作業を、実装業者は楽に行うことができます。基板を手作業で組み立てられる程度の量であれば、アセンブリ担当者はわかりやすいドキュメントに感謝することでしょう。
まず最初に、Draftsmanドキュメントをプロジェクトに追加してAssembly Drawing.pcbdwfというファイルとして保存し、続いてプロジェクトを保存します。
プロジェクトは、回路図とPCBレイアウトだけでは構成されません。
優れたプロジェクトにはDraftsmanドキュメントツールがあります!
プロジェクトを右クリックして、[Add New to Project] ≫ [Draftsman Document] を選択します。
どのテンプレートで開始するかは問題ではありません。機構図を作成しているのではないので、テンプレートによって生成される大部分は無視されます。
新しいドキュメントを追加すると、テンプレートリストが表示されます。
機構図を提出するのではないので、いずれを選択しても問題ありません。
下部のドキュメントは、パネルではなく、単一のPCBでなければなりません。複数のPCBがある場合は、1枚の図面に複数のシートを作成するのではなく、基板ごとに1枚の実装図を作成します。
これで、PCBのアセンブリビューを配置できるようになりました。
Altium DesignerのDraftsmanドキュメントのレイアウトのPlaceメニューでは
特に基板のアセンブリビューや製造ビューなどを配置できます。
シートの任意の場所を右クリックし、[Place] ≫ [Board Assembly View] を選択します。
倍率を確認する前に、3Dモデルの描画スタイルを変更する必要があります。
デフォルトの実装図は非常に見づらく判読できません。設定を変更して見やすく改善する方法を確認しましょう。
私の3D外形はかなり詳細なので、外形を介してデジグネータを判読することは、場合によっては非常に困難です。
Component Display Propertiesウィンドウにより、完全な3D投影の代わりに境界ボックスのみを表示できます。
基板全体を選択後、[Properties] ウィンドウの [Component Display Properties] グループで、[Component Body] プロパティを [3D Body Projection (Simple)] に変更できます。3D外形が多くなく、どのデジグネータがどのコンポーネントに属しているかを特定することが難しい場合は、[Bounding box] も有用です。
コンポーネント外形を境界ボックスに変更すると実装図が見やすくなります。
ご覧のとおり、これは鮮明さが大幅に向上していますが、小さな抵抗やコンデンサーを見分けることは非常に困難です。黒いコンポーネントに対して配置された黒いテキストはすべて、読み取りにくくなっています。色を変更しましょう。
筆者は、コンポーネントの外形を淡い緑または淡い青にするのが好みです。コンポーネントを表示しつつ、その上に何が配置されても判読しづらいことがありません。多くの場合、デジグネータには、ほとんどの背景色に対して読みやすい明るい紫を使用します。紫は、可視光スペクトルの補色どうしの青と赤の混合であり、人は異なる錐体細胞を使用してこれを見分けるので、目の緊張を和らげ、長時間基板を凝視したために錐体細胞の一方の色に対する感度が落ちても、実装業者は容易にこれを見ることができます。
また、[Reference Marker] オプションをオンにして [Inside Contour] に設定しました。この基板は特に高密度ではありませんが、非常に高密度の基板では、参照マーカーが隣接するコンポーネントのマーカーと混同されないよう、フットプリントの内側に配置するのが理にかなっています。
色が追加されると、実装図が格段に見やすくなります。
0402部品のテキストがまだ読みにくいので、フォントを変更する必要があります。通常、フォントを太字にするだけで非常に見やすくなりますが、プロジェクトによっては他のフォントでもよい結果を得られます。Tahomaのようなフォントでも見やすくなると思いますが、ChillerやComic Sansのようなフォントはそうでもないでしょう。
フォントは [Style] グループで変更できます。基板を選択後、[Use Document Font] を選択解除します。太字は非常に有効ですが、[Font Size (min)] が5から6に増えます。
テキストはコンポーネントの境界ボックスよりも大きくなりましたが、基板の密度が最も高い部分を簡単に確認したところ、重なりは見られません。
次に、[Scale] グループの [Custom Scale] を使用して、ページに合うよう基板の表示サイズを調整することができます。実装図がA4またはLetterサイズの用紙に印刷される場合、その図面を見る人が、記載内容を可能な限り判読できるようにしなければなりません。このオプションは十進数の倍率のみ対応しているので、Mechanical CADパッケージなどに入力する「5:1」ではなく、「1.5」や「1.3」を入力してください。
この回路基板は裏面にバーコードとプロジェクトの名前が入っているので、それをビューのタイトルに追加して「DLFDRV1R0 | DUAL LANE FEEDER CONTROLLER | TOP VIEW」に設定します。
次に、クロスチェックとアセンブリを容易にするため、シートにも部品表を追加します。スペースがない場合は、BOMを別のシートに追加するか、後に生成するBOMのみを提供します。BOMは非常に簡易的なので、BOMからの注文には適していません。ただし、すばやく参照できればアセンブリが容易になります。
シートを右クリックして、[Place] ≫ [Bill Of Materials] を選択します。
幸いにも、このプロジェクトのBOMはとても短いのでページ内に収まります。ただし、実装図が見づらくなるので、複数のセグメントに分割する必要があります。
[Properties] ウィンドウの [Pages] グループにある [Limit Page Height] をオンにして、2ページのBOMができるだけシート内に収まるよう、ページの高さを設定します。
[Properties] ページの [Columns] タブで列幅を微調整し、[Layer] 列をオンにします。続いて、行の色を変更し、白およびPCBと異なる色にしました。PCBと異なる色を選択すると、実装業者がBOMを見るたびに目の緊張を和らげることができます。それにより、基板を手作業で組み立てる場合のエラー率を下げることができます。
このような実装図の場合、図面にタイトル欄を設けるかどうかにはそれほどこだわりません。製造や実装のために機構図を送る場合は、タイトル欄を設けるでしょうが。このプロジェクトでは、許容差データはなく、倍率は重要ではありません。ドキュメント管理に携わっている大企業でない限り、実装業者にはこれで十分すぎるほどです。基板のバージョンとレビジョン番号は、各基板の裏面のバーコードに組み込まれている(タイトルのV1R0)ので、ドキュメントと基板を一致させることができます。
基板を手で組み立てたことがある技術者は、手作業ではどうすれば楽にできるかを知っています。楽に試作を作成するコツは、ライン組立機をプログラミングして基板のテスト/手直しを行う場合にも応用できます。
出力ジョブファイル
Altium Designerなら、[File] メニューの [Export] メニューと [Assembly Outputs] メニューを使って、すばやく簡単に出力を生成することができます。ただし、この方法はエラーの始まりでもあります。その代わりに、筆者は、実装業者に送るファイルを準備する際、製造出力の生成で出力ジョブファイルができていない場合は、最初に出力ジョブファイルをプロジェクトに追加します。出力ジョブファイルがあると、そのプロジェクトについて同じ出力を繰り返し生成できます。出力の生成時にエラーが発生(例えばレイヤーを忘れた)しても、出力ジョブファイルに戻って更新することができます。
プロジェクトを右クリックして、[Add New to Project] ≫ [Output Job File] を選択します。
電源が落ちたり、その場を離れたすきにWindowsの更新が実行されたり、あるいはそれ以外のアクシデントが起こった場合に備えて、すぐに空のファイルを保存し、続いてプロジェクトも保存して、プロジェクト構成を確実に更新します。
出力の種類の設定
さっそくですが、ビデオは追加しないので、[Output Containers] の右下にある [Video] 出力オプションを削除します。既存のPDFドキュメントの名前をAssembly Drawings PDFに変更して [Change] をクリックすると、PDF設定ウィンドウが開きます。
筆者が必ず最初に変更するのは、出力ファイルの名前とパスです。Vaultのリリース管理を使用していないので、[Custom Folder Name] を使用してリリースファイルを別にします。
[Release Managed] の後ろの [none] をクリックして [Custom Folder Name] を選択します。通常は、「version 1 revision 0」を表す「V1R0」のように簡潔な名前、あるいは「Dual Lane Feeder V1R0」のようにして、後ろに「\Assembly」を追加します。最終的にはアセンブリ関連ファイルがすべて1つのフォルダーに格納されるようにします。それにより、その1フォルダーを圧縮して実装業者に送信できます。
フォルダーを設定したら、ファイル名をクリックすれば名前を変更できます。
[Advanced] オプションを展開して [Open PDF File After Export] を選択解除することができます。同様に [Output Options] の [Prompt If File Already Exists] も選択解除できます。
出力の種類ごとにこの設定を行っておけば、出力の生成時に多くのファイルが開くことも、ファイルの再生成時に多数のプロンプトが表示されることもなくなります。
Folder Structure出力に対して同じ変更を行います。これにより、ファイルが必ず同じフォルダーに格納され、出力の生成時に多数のファイルが手あたり次第に開いてしまう状態を回避できます。
出力ファイルのセットアップができたので、変更を保存します。変更を保存せずに出力を生成すると、期待した出力が得られません。
ドキュメント出力
これで、生成された出力にDraftsmanの図面を追加できるようになりました。ドキュメント出力で、[Draftsman] ≫ [Assembly Drawing.PCBDwf] を選択します。
追加後、名前を変更できます。行を選択してキーボードの<F2>キーを押し、「Assembly Drawing」のようにわかりやすい名前に変更します。
図面のページ設定が正しいことを確認します。行を右クリックし、[Page Setup] をクリックします。
[Color Set] が、デフォルトの [Gray] ではなく [Color] に設定されていることを確認します。また、用紙のサイズと向きが図面と同じであることを確認してください。
設計内で各コンポーネントについて適切な3Dモデルを使用している場合、ドキュメント出力にPDF3Dも含めることをお勧めします。これは、実装チームにとっては視覚的なサニティチェックとして機能します。また、コンポーネントが見つけにくい場合、それがどのコンポーネントであるかをすばやく特定することができます。
ここで行う唯一の設定変更は、配色を固定に設定することです。これは、行を右クリックして、メニューから [Configuration Properties] を選択して設定できます。
実装業者が設計者の代わりに基板をテストしている場合、回路図もあれば実装業者の作業は大幅に楽になります。一部の設計者は、知的財産の侵害を恐れて、回路図を渡したがりません。しかし、実装業者には、設計者のプロジェクトを盗んで売りさばき、その設計者と競争することよりもやりがいのある仕事があるでしょう(たとえば、今までの事業を運営しつづけることだってそうです)。さらに、実装業者の手元には既に部品表や物理的な回路基板があり、基板の回路図を自分達で生成するのにスキルはそれほど必要ないので、実装業者から知的財産の侵害を受ける心配はありません。回路図出力の設定を変更するために必要なものはありません。ただし、ページ設定を必ずカラーに変更してください。
PDF出力コンテナを選択すると、ドキュメント出力の [Enabled] 列に丸が表示されます。それらの丸の選択順で、PDFにページが表示されます。
実装出力
[Assembly Outputs] オプションでは、必要なのはPick and Place出力だけです。Draftsmanドキュメントを準備する前に説明したように、Draftsmanを使用することで、格段に読みやすい実装図を作成できるようになりました。Draftsmanで本当にすばらしい実装図を作成したので、ここで実装図の出力をセットアップする時間を無駄にする必要はありません。
[Assembly Outputs] で [Add New Assembly Output] をクリックし、Pick and Placeファイルを基板とパネルの両方に追加します。実装業者の機械の設定によっては、パネルファイルを使用すると作業が非常に簡単になったり、基板ファイルを使用してセットアップソフトウェアでアレイを作成すると効率的に作業できたりする可能性があります。
出力の名前を変更したら、出力を右クリックして [Configure] をクリックし、設定オプションを変更します。
米国、リベリア、ミャンマーなどの実装業者と取引することはほとんどないので、出力設定をメートル単位系に変更します。また、CSV出力とテキスト出力の両方をオンにします。これは単に実装業者の便宜のためで、2種類のファイルがあっても問題ありません。セットアップソフトウェアのデフォルトが .txtと.csvのいずれかである場合に備えるためです。
適切なライブラリがある場合は、デフォルトオプションのみでも十分です。筆者の場合、自分のコンポーネントのサプライヤーセンターは、製造業者が指定した各コンポーネントの集荷場所であることがわかっています。それによって実装業者の作業が軽減され、エラー率が抑えられます。
レポート出力
レポートでは、実装業者が関心を持つのは部品表のみです。実装業者は、コンポーネントを調達しているかどうかにかかわらず、必要な場所に適切な部品が配置されることを確認するためには、BOMが必要です。デフォルトよりもよいBOMテンプレートをお探しなら、皆さんのテンプレートの基として使用していただけるBOMテンプレートが筆者のライブラリにあります。理想としては、ご自分のプロジェクトからActiveBOMを使用して、すべての部品が調達可能で最適な価格であることを確認していただきたいです。ただし、以前と同じように、PCBドキュメントからBOMを生成することもできます。実装業者は、BOMの出どころは気にしませんが、部品を調達することになれば、部品が購入可能かどうか、在庫はあるかどうかは気にします。
テンプレートには次のフィールドが必要です。フィールドは、右側の [Properties] の下の [Columns] タブから選択できます。
- Description(説明)
- Device Package(デバイスパッケージ)
- Quantity
- Designator(デジグネータ)
- Layer(レイヤー)
- Manufacturer
- Part Number(部品番号)
- Supplier 1(サプライヤー1)
- Supplier Part Number 1(サプライヤー部品番号1)
- Price(価格)
デフォルトのフットプリントごとではなくDevice Packageごとに、またデフォルトのCommentごとではなくPart Numberごとにグループ化します。列は、使用可能リストから領域ごとのグループにドラッグできます。続いて、[Comment] および [Footprint] の横にあるゴミ箱アイコンをクリックすると、デフォルト設定を削除できます。(関連する列をBOMテンプレートに追加したと仮定して)BOM出力に列を追加するには、列名の横にある斜線入りの目をクリックして、BOMに表示します。
部品表テーブルがDraftsmanのシートに収まらなかった場合は、Assembly Drawing PDFを選択してBOM出力を有効にすると、BOMを含むページが作成されます。
Folder Structure出力コンテナ
すべての出力のセットアップが完了したので、Folder Structure出力コンテナに、Pick and Placeファイルと部品表出力を割り当てることができます。
[Generate Content] ボタンをクリックする前に、すべての内容を保存したことを確認します。出力ジョブファイルもプロジェクトも保存されていないと、出力が想定した場所に格納されない可能性があります。この点で、[Clicking File] ≫ [Save All] はお勧めの方法です。すべてを保存したら、出力ジョブファイルを閉じて開き直します。これにより、出力ジョブファイルが再初期化され、すべての出力が確実に想定した場所に格納されます。
すべてを保存すると、Folder StructureおよびAssembly Drawing PDF出力コンテナの [Generate Content] ボタンをクリックできます。すべての出力が生成されるまで少しの間があってから、「Project Outputs for {Project Name}」というフォルダーのプロジェクトディレクトリにすべてのファイルが格納されているのを確認できます。前述の命名規則に従っていれば、このフォルダーにはV1R0というフォルダーが格納され、さらにこの中にAssemblyというサブフォルダーが格納されています。これで、支障なくAssemblyファイルを圧縮して実装業者に送信することができます。
Assemblyフォルダー内には以下が格納されているはずです。
- BOMフォルダー
- Pick and Placeフォルダー
- 実装図(Assembly Drawing.pdf)
- ステータスレポート(Status Report.txt)
ステータスレポートは、実装業者には不要なので、削除しても差し支えありません。
実装図が開き、読み取りやすいコンポーネントデジグネータ、3D PDFページ(表示するには、信頼できるドキュメントであることをAcrobatに認識させる必要があります)、および回路図セットが見やすく適切に表示されています。PDFファイルへの出力にBOMを含めた場合は、すべての列にデータが格納され、各列のヘッダーには「no data(データなし)」のエラーがなく、適切に表示されるはずです。
Microsoft Excel形式の部品表はBOMフォルダーにあり、すべての列にデータが記入された状態で開きます。列ヘッダーにエラーが表示された空の列がある場合は、BOMの構成時にデータフィールド列を選択しなかった可能性があります。出力ジョブに戻り、再度チェックしてください。テンプレートに表示すべきすべての列が表示されていることを確認します。
Pick and Placeフォルダーには、基板用とパネル用のcsvファイルとtxtファイルの計4ファイルが格納されています。パネルに複数の基板がある場合は、各基板に専用のPick and Placeファイルが存在している必要があります。
適切な実装の完了
これは、実装業者とのよい関係を築く出発点になるはずです。実装業者から質問があったり、実装業者が実装に関して明確にしたいことがある場合は、実装業者に送るファイルをどうすれば改善できるかを解明しましょう。そうすれば、次回はファイル自体がその質問に答えてくれるものになるはずです。これは反復的なプロセスであり、実装用基板を送るたびに、生成されるファイルは改善されていくでしょう。これで、実装業者からの質問が「必要な数」と「納期」のみという状況にまでこぎつけます。
適切な形式で適切なデータを格納した出力ファイルは、実装作業のリードタイムを何日も節約します。また、実装業者の必要作業量を減らせば、セットアップ費用やアセンブリ費用も抑えられる可能性があります。
実装業者とより効率的に作業するためのヒントをご存知の方は、お気軽に以下にコメントを投稿し、共有してください!
アルティウムのブログで、Draftsmanドキュメントの生成に関する記事をさらにご覧いただけます。こちらから、完成したドキュメントパッケージのPCB製造業者への送信に関する記事もお読みいただけます。
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